⑦クラッチユニットを外す
クラッチユニットを外すには、以下のようにバンドホルダーで固定をするか、

または、ユニバーサルホルダーと呼ばれる工具で固定をしてラチェットで外す必要があります。

プーリーのときと同じで、ユニバーサルホルダーは、固定をしてもすぐに外れやすいので、片手で押さえる必要があります。故に、どちらかを買うとしたら、バンドホルダーをお奨めします。
ですが、プーリーと同じようにクラッチナットも、電動工具のインパクトドライバーを使えば、ホルダーで固定することなく外れます。使用するソケットサイズは、19mmです。

外した部品です。

以下のように2つのパーツが重なっています。表裏があるようですので、取り外したまま重ねておいて置きましょう。

部品番号は左から以下となっています。
ワッシャ:90201-144M8
ナット :90179-14427
個数は各1個です。
プーリーナットと同様に、クラッチナットも予備を購入しました。万が一、作業中に無くしたら大変だからです。
【メーカー在庫あり】 90179-14427 ヤマハ純正 ナット(32N)
外したクラッチアウターです。部品番号は4CW-E6611-00です。

クラッチユニットを外していきます。手で引っ張るだけで、外れます。

外したクラッチユニットです。もれなくVベルトも一緒に外れます。

外したあとのクランクケース内です。

それでは、このドリブンフェイス間を広げてVベルトが落とし込める隙間を作ります。

使用する工具は、クラッチスプリングコンプレッサーとかクラッチスプリングコンプレッションツールなんて呼ばれています。余談ですが、クラッチユニットには、センタースプリングと呼ばれる大きなスプリングとクラッチシューについているクラッチスプリングと呼ばれている3つの小さなスプリンがあります。故に、個人的にはセンタースプリングコンプレッサーとかの呼び名の方がいいのだと思うのですが、恐らく「クラッチユニットのスプリングを圧縮」の略で付いているのかと思われます。
さて、私がクラッチスプリングコンプレッサーを購入しようとしたときに2つの商品がありました。先端(押さえの部分)が斜めになっているのと、平らのものです。私が使用した経験上、購入してよいのはどちらかだけです。

答えは、平らのものです。理由は下記です。

斜めになっている方はドリブンフェイス間に入っていきません。一方、平らの方は、すっと入ります。

ネットで調べていたときは、平らの方しか知らなかったのですが、購入するときに検索していたら、斜めのものがでてきました。ドリブンフェイスが斜めになっているので、「先端も斜めの方がいい!」と思って購入したのですが、失敗でした。使用してみると、斜めの角度が合わず、全然入っていきませんでした。というわけで、再び平らなものを買い直しました。
以下が、工具を使って押さえつけ、ドリブンフェイスの隙間を作った状態です。この工具を使えば、誰でも何の苦も無く、隙間を作ることができます。赤い部分ですが、ビニールテープを巻いています。ドリブンフェイスが金属面ですので、触れ合ったときに、傷が付かないようにするためです。ネットの情報を見ると、大概何か巻きつけていました。むしろ、付けていないのを見たことがない気がします。

Vベルトをはめました。

⑧クラッチユニットを付ける
それでは、隙間にVベルトを装着して、クランクケースに組み付けていきます。見事にプーリー側のベルトを外円方向に逃がすことができました。この状態でプーリーフェイスをはめ込むと、しっかりとカツンカツンとボスワッシャーと当たる金属音がします。これで、安全にプーリーナットを締めることができます。

プーリーフェイスを付けて、プーリーナットを締めていきます。まず、17mmのソケットを付けたインパクトドライバーで仮止めをします。

そして、クラッチスプリングコンプレッサーを緩めて、ドリブンフェイスの隙間からグリグリしながら、クラッチスプリングコンプレッサーを外します。

クラッチアウターを被せます。

クラッチナットを仮止めします。

(次に続く)
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